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「インド人を右に!」とは主にネット上で有名な誤植です。
某ゲーム雑誌で、正しくは「ハンドルを右に!」であるべき所がそう誤って記載されたもの。
これと同じようなものを、今、Amazon Prime Video(アマプラ)で無料配信中の映画『アローン・イン・ザ・ダーク』でたっぷりと楽しむことが出来ます。出来るのだ!

正確には、誤植ではなくて文字化けの類なのだけれども、元々ポンコツ映画として名高い同作である上に、なぜか無料配信されているのは日本語吹き替え版のみで、そこに文字化け気味の日本語字幕ももれなく付いてくる(消せない)ので、もう鑑賞者の脳への破壊力が凄い事になっております。
褒める・・・のはどうかと思うものの、ポンコツだが不思議と楽しめるというこの映画に、この妙な字幕がマッチして更に楽しさを増してくれているという奇跡が生じているので、この手の映画が好きな人には是非お勧めしたいです!
例えば、「インド人を右に!」と字幕で表示されると一瞬戸惑った後、あぁ、ハンドルを右に、かな?と考えたくなるわけですが、しかし同時に「右へ曲がれ!」という日本語吹き替えセリフが流れてくるとそんな思考も困難になるのです。しかもそこで右に曲がる必要性や意味や、結果どうなったかすら分からない事が多いまま、とにかく話は進んでいく(それでも意外と楽しい)というのが、アマプラで無料配信中のこの映画。
冒頭から思考を放棄させてくるこの映画の魅力を言葉で語るのは難しいのですが、代わりにここでは、6つほどのシーンの字幕を読めるか出題してみましょう。
6つのシーンは物語順ですが、難易度が徐々に上がっていきます。
【シーン1】

「今 どこか知5ないが戻ったら雪話を≺れ」 と字幕が出ています。
まぁ、これくらいなら特に苦労なく読めますね。
でも、同時に流れてくる日本語吹き替えは「今度もまたどこかの国へ行ってるんだろうが、帰ってきたら電話をくれ」というセリフです。
これはまだ序盤なので、この程度の字幕にも脳を混乱させられながら観ていました。
【シーン2】

シ’ヨ)
この字幕が表示された時、「ジョン」かな?と思ったら正解は「ジョー」でした。うーん、惜しい!
さっきの留守電の主がジョーです。奥さんが夜中に目を覚ますと旦那(ジョー)がいない。
そんな分かりやすい死亡フラグを立てたジョーは主人公の幼馴染ですが、彼の死を悼むのは主人公ではなく鑑賞者である我々の役目のようです。
【シーン3】

刀鵠局
こういう看板とか英語字幕の日本語字幕が文字化けされると、吹替音声が流れてこない為に正解が何だか分からない、という事態に陥ります。頭が混乱していると英語字幕まで読む余力がありません。
正解は 「713局」 です。
7と1で刀・・・までは分かりますが、3は随分難しい漢字になったもので・・・
ちなみにこの超常現象調査機関が結局何だったのかは最後まで見てもよく分かりませんが、中盤に差し掛かろうというこのシーンあたりまで来たならば、あと少しの辛抱で、思考を放棄する事に慣れて楽しくなってくるはずです!
【シーン4】

今朝 俺を蓋フた男亡同じだ
今朝俺を殺そうとした男と同じだ
雰囲気でまだ言いたい事は分かる、気がしないでもない。
本編冒頭の唐突な格闘アクションに関する話ですが、カメラワークも演出も無駄だらけな気がするけれども、時折意外と本格的なアクションが挟まったり、何より衝撃的な展開に驚かされた謎のシーンでした。え?そんな躊躇なく人を撃つ?って。
この映画は冒頭からとにかく長くて謎の用語もテンコ盛りな世界観説明文とプリクエル(本編前の1シーン)で、全観客を絶対に置き去りにするという強い意志を見せつけてきますが、どうにか気を取り直して本編を見始めたところで、唐突に始まるあの格闘アクション。むしろそこまでが別作品の予告編でその後からを本編と呼んでも良いのですが、そんな全体の中ではバランスの悪い格闘パートもこの映画の味です。
【シーン5】

ノ【”レたらヤ/〔”C)か’調べる よ
バレたらヤバいが調べるよ
ギリギリ・・・読め・・・ますね?ますか?
これもまだ中盤位。こっちの脳の方がヤベェよ、と言いたい事でしょうけれども、しかしこの辺に至ればもう一切の思考を必要としなくなります。というか思考しない事に慣れます。よく分からないけれど物語は加速していき、意外と大掛かりな戦闘シーン、唐突に意外と本格的なグロシーンなどをちょうど良いスパイスとして挟みながら、何か大どんでん返しがあったような気がするけれども結局何も分からないまま見てるから何もどんでん返った気がしないぜ!をも超えてクライマックスまで一気に突っ走ります。
【シーン6】

彗碁稿『壺ぅ壽貝『[’量
クライマックス。もはや字幕も吹き替え音声も何を言っているのか全く分かりませんが、吹替のセリフは「この扉の向こうに俺たちが探していた答えがある」みたいなことをしゃべっていました。
何か探してたっけ? でも、こんなシチュエーションにはぴったり来るセリフなのでそれで別に良いです。勿論答えは見つかりません。
そして何だかんだあって結局その扉が開いちゃって、世界が滅亡に向かい始めた(人類消滅?)っぽい感じになってエンド。
さて、この映画には続編 Alone in the Dark2 があり、それもアマプラで無料配信中です。
なんでも、1作目より原作のホラーゲームの雰囲気をよく出していてB級ホラー好きなら意外と楽しめるとも聞きますし、逆に1作目より輪をかけてひどい駄作とも聞きます。
主人公名は同じですが、演じる俳優はクリスチャン・スレーターからアジア系俳優に変わっています。あと1作目とは話は繋がっていないようです。
この『アローン・イン・ザ・ダーク』 Alone in the Dark は個人的にずっと観てみたいと思っていた映画でした。
UAEにいた頃に映画館で予告編を見まして、その雰囲気は悪くなかったんです。化け物(ジーノム)のビジュアルやポスターも。
でも、その後には酷評しか聞かないものだから、なかなか手を出せずにいたんですが、ようやく見れて良かったです。
確かに、まごうこと無き駄作ですが、それなのに時間を無駄にしたとは全く感じていないんですね。本当に不思議な作品です。
まぁ、2を観ようという気は今のところ全く無いですけども・・・(苦笑)

あと、この映画について語るなら監督のウーヴェ・ボル(世界最低の監督として名高いが愛されてもいる)についても語りたい、ところ、ですが、参考サイトのリンクを貼るだけに留めておきます。
自分の作品を酷評した評論家をボクシングの勝負でボコボコにするドキュメンタリー映画だという『レイジング・ボル』は結構気になっています。
● 【特集】世界最低の映画監督ウーヴェ・ボル引退記念―酷評されたゲーム映画群を振り返る
● 世界最低の映画監督の素顔を追うドキュメンタリー。『Raging Boll(原題)』
● ウーヴェ・ボル - Wikipedia
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