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2016年02月19日 (金) 03:11 | このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 映画『オデッセイ』 THE MARTIAN ネタバレでお節介な解説 | | | Edit |
(ネタバレはストーリー紹介の後の「以下ネタバレ注意」表記以降からです)


面白かった!この映画大好き!

絶望的なサバイバルが最新科学技術や現実に基づいたリアリティ重視で描かれるにも関わらず、この地に足の着いたエンターテイメントが観客に示してみせるのは、科学と人類の進歩のポジティブな面。観た後に明るく前向きな気持ちになりました。

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観終わって買い物中の嫁と合流し「面白かったよ!」と言ったら「んー、私はいいや」と言われたのはちょっとショックだった。(苦笑)
SFとかサスペンスとかを敬遠しがちなこういう人にこそ見て欲しい、と思うのですがね。
そう思うからこそ、この映画に対しては、批判的レビューのほとんどが内容を理解できていなかったり無知だったりする故のものである事が残念だったので、当記事を書くことにしました。

この映画の原作は、科学オタクを自称するアンディ・ウィアー氏が自身のブログで連載していたWeb小説「火星の人」(The Martian)。読者の支持を得て書籍化され、それがほぼ忠実に映画化されたのが今回の映画です。上映時間142分(2時間22分)と長めの映画になりました。
細かな説明をわずかな映像で済ませて観客の想像力に委ねている部分(悪く言えば説明不足)もありますし、いくつかの原作エピソードが端折られてもいますが、逆に映像で細部が補完・改変(改良)されてもいます。気になる方は、原作も科学うんちく部分はともかくさらっと読める本なので読んでみると良いのではないでしょうか。
ちなみに、映画は第73回ゴールデングローブ賞(コメディー/ミュージカル部門)の作品賞と主演男優賞を受賞しました。主演のマット・デイモンが「この映画はコメディなのですか?」とインタビュアーから質問され、「いや、ミュージカルだよ」と答えたそうな。


【ストーリー】
3度目の有人火星探査ミッション「アレス3」のために火星へと送り込まれた6人の宇宙飛行士は、猛烈な砂嵐に遭遇し、わずか6日目にしてミッション中止を余儀なくされた。さらにクルーの1人が宇宙服破損の信号を残して砂嵐のなかへと吹き飛ばされ、生き残った5人だけで火星を脱出。ところが――。奇跡的に彼は生きていた!? 不毛の赤い惑星に一人残された彼、植物学者にしてエンジニアのマーク・ワトニーは限られた物資と自らの知識(とユーモア)を駆使して生き延びていく。


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~~~~以下、完全にネタバレ~~~~


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科学的正確性という面では、そもそも原作が自称科学オタクが書いたWeb小説で、読者からの突っ込みをフィードバックしながらどんどん改訂されていったうえに、映画化に際してはNASAが協力(惑星科学部門の責任者であるジェームズ・グリーン氏が監修)しており、科学的正確性が追求されている度合いはかなりのもの。
とはいえフィクションもある。
原作からの補完情報も用いて、公正にポイントごとに映画版の解説をしたいと思います。


まず結末までの流れをざっくり書いておくと、

ワトニーが火星に取り残される→次期アレス計画クルーがやってくる4年後まで火星で生き延びてやると決心→じゃがいも育てて食糧増やしたりしてみる→2カ月後、NASAが衛星写真によりワトニー生存を知るが通信手段が無く見守る事しか出来ない→ワトニーが火星探査機「パスファインダー」を拾ってきて修理。NASAとの通信に成功→NASAが救援物資(食糧)を積んだロケットを打ち上げようとするが失敗→ワトニーもじゃがいもプラントが事故で全滅したり試練の連続でいっぱいいっぱい→中国の協力により支援物資打ち上げの再チャレンジが可能に→地球帰還途上のアレス3クルーが乗るヘルメス号に支援物資を託し再び火星に戻ってもらう策が発案→実行される→火星ではワトニーがアレス4クルー用のMAV(火星脱出船)を目指し、3,200km移動する旅に挑む→ワトニーがMAVで火星重力圏外へ→ヘルメス号がワトニーを無事回収(取り残されてから2年弱が経過していた)→それぞれの面々の地球帰還後の姿が描かれてEND

大まかにストーリーの流れを意識した以下の順でポイントを解説していきます。
主に、見受けられた批判や疑問点についてまとめています。


【目次】
1.「アレス3」クルー6人の紹介
2.アレス計画の名前の由来と、ついでに邦題『オデッセイ』について
3.じゃがいもに関する諸々(それだけで生きていけるのか?等)
4.プルトニウムで被爆しないの?(Hot Stuff)
5.最初カメラのレンズがNOを指したと思った人?はい!(パスファインダーについて)
6.NASAにため息をつかせたワトニーの言葉とは
7.ハブの穴をふさいだりするのに使われたビニール(?)について
8.中国がブースターを提供する展開について(ただの善意ではない)
9.ヨハンセンと両親の通信だけなぜ無い?
10.アレス4用のMAVは砂嵐で倒れなかった?(原作と映画におけるフィクション)
11.なんでローバーの天井に穴をあけたの?
12.原作から省かれた大きなトラブル
13.ロケット(MAV)が予定の高度に届かなかった件
14.アイアンマン作戦について
15.地球帰還後




●1.「アレス3」クルー6人の紹介

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マーク・ワトニー: マット・デイモン
   主人公。植物学者兼メカニカルエンジニア。独身のムードメイカー。
メリッサ・ルイス: ジェシカ・チャステイン
   船長兼地質学者。軍人。既婚。70年代ディスコ大好き。
リック・マルティネス: マイケル・ペーニャ
   操縦士。軍人。既婚。クリスチャンのマッチョなメキシコ人。
ベス・ヨハンセン: ケイト・マーラ
   システムエンジニア兼原子炉技術者。独身。美人だがヲタク女子。~が臭い。
クリス・ベック: セバスチャン・スタン
   医者兼生物学者。船外活動スペシャリスト。独身の純情男子。
アレックス・フォーゲル: アクセル・ヘニー
   化学者兼天体物理学者。ドイツ人。子だくさん。

映画内ではワトニーは植物学者だとしか名乗りませんが、彼は機械エンジニアでもあります。
というか、宇宙飛行士はそれぞれ何らかのスペシャリストであると同時に、いざという時に他クルーの代理が務まるよう訓練を受けます。原作ではワトニーを失った後のヘルメス号内では、フォーゲルが植物生育実験の代理を務めています。
植物学者があんなに万能なのはおかしいという批判を見かけますが、大金がかかって重要で往復2年かかる上にたった6人しか送れない長旅のメンバーに、植物学以外無能な人間を選ぶわけないじゃないですか。
とはいえ、取り残されたのがワトニーじゃなかったら生き延びる事はできなかったかもね。


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●2.アレス計画の名前の由来と、ついでに邦題『オデッセイ』について

アレスとは、ギリシャ神話に登場する戦の神で、ローマ神話のマールス(マーズ)に相当し、火星と同一視されています。火星の衛星フォボスとダイモスはアレスの子の名から採られています。

一方、現実の話として、NASAは有人宇宙開発計画であるコンステレーション計画(Constellation program)を進めていました。(が、2010年に計画は中止されています。)
その計画に基づいて開発されていた大型ロケットシリーズがアレスです。

コンステレーション計画 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E8%A8%88%E7%94%BB

このWikipediaの記事によると、コンステレーション計画打ち切りが発表された直後、オバマ大統領が2030年代半ばを目標にした有人火星探査計画を発表しているとの事。この映画の中では有人火星探査ミッションの名前がアレス計画とされていますが、NASAの夢が籠められた名前なんですねぇ。『オデッセイ』はほぼ現代の近未来を舞台にしていますが、2030年代半ばにアレス1、それから2を経てのアレス3とすれば2040年代あたりでしょうか。


ちなみに邦題の『オデッセイ』については・・・、

原題は『The Martian』。翻訳された小説の題名もそのまんま「火星の人」です。
内容に合った題名だと思うので、そのままで良かった気もしますがちょっとカッコ良くない。
かといってカタカナで「マーシャン」又は「マーチャン」だと日本人に意味が通じない上にカップ麺の名前か何かっぽくて更にダサい。
そこで半ば無理やり「オデッセイ」という邦題が付けられたみたいですが、これもセンス無い気がしますね。

オデッセイとは何かというと、オデュッセイア(the Odyssey)というホメロス(Homer)の作とされる古代ギリシアの叙事詩です。トロイ戦争の英雄オデュッセウスが、戦争終了からの帰路の途中で難破して、10年の苦難の放浪の末に帰ってくる話。そこから、長期の放浪、長い冒険(の旅)、を指す言葉にもなりました。
まぁ、この映画の内容に合ってなくもないし、映画会社の方は昔の映画『2001年宇宙の旅』の原題が『2001: A SPACE ODYSSEY』だった事も意識したのでしょう。


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●3.じゃがいもに関する諸々(それだけで生きていけるのか?等)

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残っていた食糧と組み合わせたとしても、ほぼじゃがいもだけであんな長期間生きていけるのでしょうか?まぁ、たぶん・・・と思ったら、

原作小説にはじゃがいも栽培に挑むシーンで「ビタミン剤(サプリ)はほぼ無尽蔵にあるから、あと必要なのは生き延びるためのカロリーだけだ。」というワトニーのセリフがありました。これが省かれているので映画では想像で補うしかないですね。

原作でワトニーは「火星の土で作物をつくる方法は、もう何十年も前から考えられてきた。ぼくはそれをはじめて試してみるだけのことだ。」と言います。映画でも排泄物にはバクテリアがいるから~という説明はされつつ早送りで描写されますが、原作では細かな手順を踏み日数をかけて土を作っていく様子が読めますよ。そもそもなぜ植物学者が火星に送り込まれているかと考えれば、当然植物に関する何らかの実験をする為であり、その為に若干の地球の土と植物の種を火星に持ってきていた事までは察せられます。その若干の地球の土も土作りに役立てています。しかし植物の種の方は、育てやすいシダ類等だけで食用植物の種は無かったようです。食糧の中の豆類(エンドウ豆など)も植えてみたけれど芽が出たのはじゃがいもだけだったとか、パスファインダー回収のために数日間留守にする間の畑の問題をいかに解決するかとか、細かい描写がたくさんあります。細かいんですけど、いずれも生死に直結する問題なんです。

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さて、そうして畑を作り、無事じゃがいもの栽培に成功しても、食料が900日程度までしかもたないと言っていたのはなぜでしょう?
それは単純に養分の問題です。ミッション6日分の6名の排泄物+今後のワトニーの排泄物だけでは、連作にも限度があるのです。

排泄物が封されて捨てられていたのはなぜでしょう?
それは、地球上でも人間の排泄物等が自然の生態系などに影響してしまっている問題を見聞きするように、ただ普通に廃棄して、後年になって「火星にも地球と同じバクテリアが生息していた!」なんて調査結果が出たら困るからです。名前まで書くのは・・・なんかあった時の健康状態調査などの為ですかね。地球に持ち帰るわけではなかったようです。
ただ、ハブが爆発して、中の畑の土もだいぶ屋外に飛び散ってしまいました。原作では後日に、凍りついた土の中のバクテリアが生き延びていた事をワトニーが発見し、その生命力に感動するという場面が出てきます。知能指数をぐっと下げれば、アレス5クルーが火星に到着した時そこには未知の怪物が・・・!という『オデッセイ2』を作れなくもない。(笑)

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●4.プルトニウムで被爆しないの?(Hot Stuff)

この疑問や批判もよく目にします。

映画では、危険だから離れたところに埋めてその地点に目印の旗をたてた、という程度の説明しかありませんが、映像で頑丈そうな箱に入っている様子が見られます。
あの中に入っているプルトニウムが起こす放射性崩壊によって、箱は常に発熱している状態です。それをワトニーが回収し、ヒーターの代わりにすることでローバーの電気使用量を抑え(走行距離を伸ばし)ました。外側の容器が壊れたくらいでは放射線は漏れない作りになっているそうですが、それでも万が一漏れたら即死という危険性から離れた場所に埋められていたものに違いなく、生き延びるためにワトニーが負ったリスクの一つとなりました。
このプルトニウムは作中ではMAVが発射準備を整える(燃料を作る)為の発電機として使用されていたようです。現実にも、後に作中でも登場する火星探査機マーズ・パスファインダーには保温用に少量のプルトニウムが搭載されていました。

それにしても、プルトニウム(RTG)を拾ってからの曲「Hot Stuff」が流れるくだりは愉快でしたね。
この映画には場面にぴったりな曲がいくつか流れますが、若干英語を知らなければ繋がりが分からないかと思います。
Hot Stuff、直訳すると「熱いもの」。この場合、まんまプルトニウムを指しますが、もともとの歌の意味では「情熱的に愛してくれる男(が欲しい)」となっており、まぁ、その、下品にとれば「熱いチ○コ」が欲しいとも受け取れる若干エロい歌です。



●5.最初カメラのレンズがNOを指したと思った人?はい!(パスファインダーについて)

「受信していますか?YES or NO」の際、パスファインダーのカメラがNoを指したと思った人は多いですね。私もその一人です。
後にワトニーが自分の姿の写真を送る際にようやく、平たい面にある2つのレンズこそがカメラである事が分かりますが、最初はてっきり側面に突き出た円筒がレンズだと思い込んだものです。

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マーズ・パスファインダー – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%83%91%E3%82%B9%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC



この点を確認しようとしてネットで調べたり原作を読んだりしたのが、この記事を書くきっかけでした。

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●6.全NASAにため息をつかせたワトニーの言葉とは

パスファインダーにより地球との交信が可能となり、16進法を駆使しながらのやり取りの果てにようやくチャットのように文章のやり取りが可能になった際のシーンです。
NASAが自身の生存をアレス3クルーにまだ伝えていない事を知ったワトニーが怒った後、NASAから「世界に生中継されているから言葉には気を付けて」と言われたワトニーが更に返信した言葉に、皆が「ぉぉぅ…」をため息をつきますが、ワトニーは何と返信したのでしょう?原作にはちゃんと書かれており、そこがたいへん好きな方も多いようですが、具体的なその言葉を書く前に、ここのやり取りが原作よりずっと深みをましていたという事を書いておきます。

原作では、アレス3のクルーは何と言っている?→まだ伝えてないんだ→なんだって!?→言葉に気を付けて欲しい→○○○○、というチャット文面だけのシンプルな描写でした。
映画では、ワトニーになんと返信したものか火星探査責任者ビンセント・カプーアが躊躇し悩む描写があり、さらにワトニーが激怒する描写があります。その流れでいけば、ワトニーが最後に返信した文章は、放送禁止用語満載の罵詈雑言であろうと思われるわけです。この映画での改変はワトニーとNASA双方の人間らしさを描いた良いものだったと思います。

さて、

では原作で書かれていたその言葉とは・・・、


[12:04]JPL:(…)追伸:発言には気をつけてほしい。きみが打ち込んだ内容は全世界に生中継されている。
[12:15]ワトニー:見て見て! おっぱい!―> (.Y.)



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まぁ、あれですね。馬鹿じゃないかお前?(褒め言葉)
原作の方がワトニーの孤独や絶望を深く描いているという方もいますが、私としては、原作のワトニーは鋼のメンタルのポジティブすぎる化け物(頭の良い馬鹿っぷりが好きだけど)で、映画版のワトニーの方により人間味を感じました。原作には、恐怖に震えながらじゃがいもを数える場面やMAVの発射前に涙を流す場面はありません。

ちなみに、このようなチャットが出来るようになるまでにパスファインダーやローバーのソフトウェアのハッキングやアップデートを、NASAの指示に従ってワトニーが実施していますが、NASAは全部をカメラの向きにより一文字ずつ指示を送って実施したわけではありません。原作ではそんな手段では時間がかかり過ぎて現実的ではない事に悩んだ末に、NASA技術者がもっと簡易な方法を編み出していました。私にはなんとなくしか理解出来ませんでしたが・・・。



●7.ハブの穴をふさいだりするのに使われたビニール(?)について

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エアロックが吹き飛んだ跡をビニール一枚でふさいで、その一枚が生死を隔てているのに、それが砂嵐の風でバタバタバタッとなっている中、ワトニーが恐怖に震えながらじゃがいもを数えているシーンは観ているこちらもかなり怖かった。あのワトニーがじゃがいもを数えるのもままならない。むしろあの状況でわざわざじゃがいもを数え直す必要があったのかと考えれば、何かしていなければ取り乱してしまいそうだったからあえて数えていたのだろうと想像されます。
『オデッセイ』には緊迫感や緊張感が欠けていてつまらない、という批判が見かけられるのがよく分かりません。

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とはいえ、あのハブを塞いだり、ローバーの屋根を塞いだりと各所で活躍していたあのビニール的なもの、ただのビニールではありません。
NASAがただのビニールを宇宙に持っていかせるわけもなく、あれはカーボン繊維を重ねて密着させた高性能素材のキャンバス生地です。かなり頑丈だそうです。
しかし、それを留めているテープ。ヘルメットのひびも塞いだあのテープ。あれはただのダクトテープ。日本ではガムテープの方が一般的に用いられているけれど、その強化版、それがアメリカ人が大好きなダクトテープ。NASAの技術力をもってしてもこれ以上改良の余地がない最強アイテムとして、原作内でも褒め称えられています。(笑)
実際、1970年の月着陸船アポロ13号の酸素タンク爆発事故の際には、ダクトテープで空気浄化装置をつなぎ合わせることで、危機を脱したそうです。すげぇ。

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●8.中国がブースターを提供する展開について(ただの善意ではない)

ここが一番よく議論を呼んでいるところ。
中国へのごますりだ、いや原作通りだから、というやり取りがネット上でよく見受けられますが、ごますりなわけではないし、原作通りだというだけでは反論にもなっていません。

確かに最近のハリウッド映画(特に大作)では、スポンサーの中国企業への配慮(契約条件)とか、中国市場での興行収入をあてにした露骨な中国びいきが見られるものがあります。『オデッセイ』でも中国が救いの手を差し伸べる展開がその一例と感じられることは仕方がないかもしれませんが、この物語の中国は違います。

中国がブースターを提供する流れを振り返ってみましょう。(原作からの補完あり)

補給物資を載せたアイリスの打ち上げ失敗により、NASAはワトニーを助ける手段を失ってしまいました。地球と火星の位置関係的にまずい時期に、補給物資を打ち上げて火星まで届けられるほどの可搬重量を持つブースターなんて無い、少なくとも今から間に合うようには作れない。しかし、アイリス爆発をTVで見ていた中国宇宙局の責任者が「なぜアメリカは我々に支援を求めない?」とつぶやきます。実は中国は機密で太陽探査衛星である太陽神(タイヤン・シェン)を近々打ち上げ予定でした。太陽探査に耐える耐熱シールドを持った巨大な人工衛星と、それを打ち上げる為のブースターの開発に成功してまさに打ち上げ準備段階だったのです。機密で進めていたため、アメリカ含む他国はそれを知らず、支援を求めるも何もなかったのですが、ここで中国宇宙局の責任者は考えをめぐらせます。
「このまま予定通り太陽探査衛星を打ち上げるメリットと、この際に中国がアメリカを公然と救い、貸しを作り、世界に向けて中国の宇宙航空技術をアピール出来るメリット、どちらが上だろう?」
後者のメリットが上と判断した彼はNASA長官に掛け合い、アレス5のクルーに中国人宇宙飛行士1名を含ませることを条件に、ブースター提供を決断したのです(これに中国共産党も合意)。中国が独自開発で有人宇宙飛行を実現する場合、さらに長い年月や費用が必要になる事を考えれば、大きな収穫でしょう。合理的な判断と思います。一方、こうした判断による支援ですから更に原作ではその後、リッチ・パーネル・マヌーバにより太陽神ブースターが火星まで補給物資を届ける代わりに地球近くのヘルメス号まで物資を届ける為だけに使われるという事になった際に、中国側は難色を示します。

映画ではそうした駆け引きの描写が省かれた代わりに、最後のアレス5打ち上げシーンで、マルティネス操縦士の隣にアジア系宇宙飛行士が座っている様子が映りました。あれがブースター提供のバーターである中国人宇宙飛行士だったのです。


では、ロケット技術ということで、ロシアや日本が提供するのでは駄目だったのか?
2040年頃、ロシアや日本がそんな巨大なブースターを開発&製作して何かを打ち上げようとしているかというと・・・どうだろう。技術を持っているだけじゃダメなんです、ちょうど必要になったあの時点で既に完成済みもしくは完成間近のそのレベルのブースターをちゃっかり持ってい(てその打ち上げで世界に向けて技術力をアピールしようとしてい)る国じゃなければダメなんです。今現実的に考えれば、そこは中国じゃないでしょうか。それに、あの中国が手を差し伸べたからこそ、世界中がワトニー救出に手を結んだような印象が強まるという、そんな物語上の効果もあります。

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ワトニーの怒りや恐怖、安堵といった感情を描写したり、マルティネス操縦士が妻から「500日以上宇宙滞在が伸びる事に賛成したの?」とチクリと刺されたり、NASAのフライトディレクター:ミッチ・ヘンダーソンが組織への反乱の責任をとって辞職させられたり、この損得勘定ありきの中国の支援もそうですが、そういう楽天的だったり善意ばかりではない現実の苦い側面も適度に描かれているからこそ、そんな色々があっても結果的にマーク・ワトニーは生還した=色々あるけど科学も人類も進歩してる(そして次に繋がっていく)、という事がこの映画で描かれたと私は受け取りましたし、そこに感動したのだと思っています。

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ちなみに、NASAのミッチ・ヘンダーソンが辞職する(させられる)件ですが、原作とは異なっています。
原作小説では、ミッチは「リッチ・パーネル・マヌーバをアレス3クルーに送ったのが俺だっていう証拠は無いだろ」と開き直り、NASA長官テディが「証拠をつかんだらクビにしてやるからな!」と怒って吐き捨てて終わり。この後、皆が一致団結してワトニー救出に前進していくという場面で、そんな不協和音は頂けません。ここも映画の良い改変だったと思います。
(この後の一致団結でデビッド・ボウイの「Starman」が流れるシーンは、この映画の中で一番盛り上がったシーンだったような)





●9.ヨハンセンと両親の通信だけなぜ無い?

さて、Starmanが流れる中、アレス3クルーが各自の家族とテレビ電話で通信する様子が映ります。
あれ?なんでヨハンセン(システム担当)だけ家族との通信シーンが無いんだろう?独身だから?天涯孤独なの??

いいえ、ヨハンセンにも両親がいて健在です。
原作にはその通信場面があります。が、それは他クルーのほのぼの通信と違って、重い内容でした。

リッチ・パーネル・マヌーバ実行の決をとる際、ルイス船長が「実行した場合、太陽神ブースターを使った補給物資を受け取れなければ、私たちは死ぬ」と語ります。どういう事でしょう?
リッチ・パーネル・マヌーバを実行したが最後、ヘルメス号が地球帰還できるまで500日以上が延びます。もし補給に失敗すると、地球帰還までクルー5名が生きていけるだけの食糧が無いのです。ではそのもしもの場合はどうするか、クルーは決めていました。補給受け取りに失敗したら、ヨハンセン以外の4名は速やかに服毒自殺。残りの食糧全てをヨハンセンに残します。ヨハンセンが選ばれたのは、一番小柄で消費エネルギーが少ないから。それでも食糧は地球帰還までもたない・・・だから4名の遺体も食糧とする、という厳しい計画でした。父親が浮かない様子のヨハンセンを問いただし、それが語られるというのがこの親子の通信内容です。
ヨハンセンが補給機ドッキング時に心配そうに見守っていたのは、後の恋人となるベック(ドクター)の安否を気にしていただけではなかったのです。カット前の映画脚本は4時間相当にもなっていたそうなので、おそらくこのシーンも原作通りにあったのだろうと思います。Starmanが流れて高揚感あふれる場面で急にそんな事を語られても困りますがね・・・。また、その計画(覚悟)を知ったうえで他クルーの家族との通信を見ると印象が少し違ってくるかもしれません。

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●10.アレス4用のMAVは砂嵐で倒れなかった?(原作と映画におけるフィクション)

アレス3のクルーはヘルメス号で火星の衛星軌道上に到着後、MDV(Mars Descent Vehicle:火星降下機)を使って今回の調査地点へ降り立ちました。ワトニーはこのMDVに残っていた燃料(ヒドラジン)を使って水を精製していました。クルーが火星脱出に使ったのはそれとは別のMAV(Mars Ascent Vehicle:火星上昇機)。このMAVが砂嵐で倒されそうになり、猶予が無くなったクルーはワトニーを残し火星を脱出しました。後にワトニーもアレス4用のMAVを使って火星を脱出します。

さて、次の探査チーム:アレス4がやってくるのは4年後の予定ですが、その彼らが火星脱出に使うMAVが既に火星に用意されていました。なぜでしょう?
アレス4用MAVがその間に砂嵐に倒される恐れは無かったのでしょうか?
アレス3チームのいた場所からアレス4MAVの場所までは3,200km離れていましたので、アレス3チームを襲った大砂嵐がアレス4MAVには影響しなかったのは分かりますが、4年間放置している間にそこに大きな砂嵐が来たらどうしようもない。アレス4チームが火星に到着した時にMAVが倒れて壊れていたら、今度はアレス4チーム全員が火星に閉じ込められる事になる、もしくは火星に着陸せずにただ地球に帰還するしかなくなるのに、それでいいのかな?何かおかしいな・・・?
そんな疑問が湧いてきますね。解説していきます。

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まずは、なぜMAVをそんなに早くから火星に準備しておくのか、というところから。
劇中でもさらっと説明されていますが、アレス4チームが火星に閉じ込められる(もしくは無駄足になる)事態を防ぐには、アレス4出発の前には火星上にMAVが無事稼働する状態で設置されている事が確認される事が必要です。
どうやら、アレス3が自分たちが着陸用に使うMDVとアレス4用MAVをヘルメス号に積んで(?)火星に持っていったようです。そしてアレス4用MAVを予定地点に(遠隔操作で)着陸させた。原作の説明によると、MAVは水素を搭載しており、着陸後にその水素と火星の大気を原料として18ヵ月かけて脱出時用の燃料を作りだします。その前後の各種チェックや、アレス4が火星に来るまでの片道約300日、予備日、を考えれば使用される4年前に火星に設置される事には納得がいきます。

しかし4年もの間、横倒しにするほどの砂嵐が起こりうる場所に置いておくのは安全なのでしょうか?
実はここに、この物語最大のフィクションがあります。

ここで作品に関連する火星の環境についてまとめます。(現実の観測結果に基づく)

・火星は大気を持つが、大気圧は地球の0.7%と薄い。二酸化炭素が95%。
・表面重力は地球の約1/3。
・平均表面温度は-43℃で、最低温度は-140℃。
・火星の1日(太陽日、solar day、SOL)は24時間39分35.244秒。
・砂嵐は火星の特徴的な気象現象であり、局地的な砂嵐は年に100回程度発生、惑星規模の大砂嵐は年0~2回で決まった時期と場所で発生している。風速は時速190キロメートルにもなる。


火星に大気なんか無い、砂嵐なんか起きない、雲なんか無い、etc.といった主張をして今作を批判している方もいますが、出鱈目です。フィクションなのはそこではありません。
火星では、MAVや人を吹き飛ばすほどの砂嵐にはならない(控えめに言っても観測されていない)のです。
肝心なのは大気圧です。風速190km/hの風といえば、地球ではF2クラスの竜巻に相当し、それは屋根が飛び、大木が倒れ、車が横転するレベルです。しかし、火星では大気圧が地球の0.7%しかないため、単純に言えば風の威力も0.7%。せいぜい石が転がる程度と言われています。
だから・・・MAVを4年間放置しても問題は無いのです。そこはリアル。しかし、そもそもこの物語のきっかけとなる冒頭の事故が起きえないという矛盾が・・・。
この件は、原作小説が出版された後に判明した誤り(フィクション)でした。映画でもあえてそのまま訂正されず原作通りに描かれています。好意的に解釈して、冒頭の砂嵐はこれまで観測や予測が出来ていなかった桁違いのものだったのであり、MAVを4年置きっぱなしに出来ていた事からも『オデッセイ』中の火星もあくまで現実の火星と同じである、と思っておくのが良いかもしれません。数百年に一度の大災害は地球でも起きることだし、火星の観測なんて始まってまだせいぜい40年程度だし、とか。・・・まぁいいじゃない!

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ちなみに、映画版独自のフィクションというか不正確さも指摘されています。先ほど書いた通り、火星の重力は地球の約1/3なので、火星上で歩く姿がもっとふんわりした動きになる等の影響があるはずなのですが、リドリー・スコット監督は、あえてその差を表現する意味を見出せなかったため無視したとのこと。
とはいえ、私は映画で、重そうな太陽光パネルの付け外し作業などをワトニー1人の人力でやりきっている様子を観ながら、火星の重力下だからこそ出来る作業だろうなぁと思っていました。

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一般論として「1の嘘を付くために99の本当を並べ立て」られているのが良いフィクションの物語だと思いますし、これはそういう誠実な面白い物語だったというのが私の感想です。

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●11.なんでローバーの天井に穴をあけたの?

3,200km離れた地点のアレス4用MAVを目指す長旅に備える際、ローバーの天井に穴をあけていましたが、映画では理由が説明されません。
あれは原作では、空気調整器、酸素供給器、水再生器という必要不可欠な装置をローバーに積み込むためでした。大きくてそのままでは入らないから穴をあけて、後でキャンバス生地(風船みたい)で穴を塞いだ。
しかし、映画のローバーを見るとコクピットは狭いですね。とても大きな装置3台を載せられるようには見えません。どうも原作小説が想定していたローバーと映像化されたローバーは形状が違うようです。実際、映画のローバーはクレーンを備えていましたが、原作ではその様なものは無く、パスファインダーを載せる時は古代エジプト人がピラミッドを作った時のような方法で苦労して載せていました。

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●12.原作から省かれた大きなトラブル

映画化において省かれた大きなエピソードは、主にアレス4用MAVを目指す長旅中のものです。
ローバー改造の最終段階でパスファインダーが故障(再起不能)して地球との通信手段を失ったり、いざ出発したら砂嵐に遭遇して太陽電池による充電が不能→ヘルメスによるピックアップに間に合わなくなる!?という危機に陥ったり、クレーター縁でローバーが横転したりします。トラブルに遭遇しなくても、星(衛星)や地形を観ながら方向にあたりをつけて進んでいく心細さも相当なものです。MAVに到着した時、ワトニーの顔は憔悴してボロボロになっていましたが、彼は大変な苦労、絶望、孤独を乗り越えてきたのでした。

映画でも、移動中のワトニーが自作した六分儀と星を使って方向を割り出してるシーンはありました。地球から「もうちょっと右方向に進め」とか指示を受けられているならば必要ない描写です。パスファインダーが故障したからこそのシーンなので、カットされた場面としてDVDの特典映像とかに収録されるかな?

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一方、火星に再度向かうヘルメス号でもトラブルは起きていました。
予定外の長旅に伴うメンテナンストラブル程度ですが、赤面するヨハンソンの描写などを読みたい方は原作を読んでみると良いかと思います。

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●13.ロケット(MAV)が予定の高度に届かなかった件

MAVを限界まで軽量化して、打ち上げ(火星脱出)に挑みます。
もともと火星の軌道上(ヘルメス号とかあるところ)まで行くための船ですが、今回はヘルメス号の燃料節約の為に軌道上より高い重力圏外まで行かなくてはなりません。その為の軽量化です。先端も取り外すということで、ワトニーは「僕をコンバーチブルで打ち上げるつもりだ」とつぶやきますが、原作の方が分かりやすい。

ワトニー 「僕をオープンカーで宇宙に打ち上げるつもりか?」
NASA 「いや、穴はキャンバス生地で塞ぐ」
ワトニー 「なるほどコンバーチブルか。ずっといいや」(皮肉)

車に詳しくない方のために説明すると、コンバーチブルとは幌が折りたたまれてオープンになったり展開されて屋根になったりするタイプの車のことです。
「空気抵抗が影響を与えるころには空気がない場所にいる」という計算でしたが、打ち上げ中にこの幌(キャンバス生地)が破れ、バタバタとはためきだします。これが空気抵抗を生んでしまい、予定の高度に届かない事態となったのでした。

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●14.アイアンマン作戦について

The Martian movie image 2a (spacecraft)

予定の高度に届かなかったMAV(ワトニー)に近付くべく、ヘルメス号クルーが奮闘します。
最後、どうしても届かないとなった時点でワトニーがアイアンマン作戦を決行しますが、ここの展開が原作とは異なります。

ワトニーが発案したアイアンマン作戦からひらめいてヘルメス号の減速に成功するまでは映画と原作は一緒なのですが、映画ではルイス船長がワトニー救出に向かうも届かず、アイアンマン作戦が決行されるのに対して、原作では、ベック(ドクター)が救出に向かい、無事MAVに届いてワトニーを救出します。
映画はクライマックスの見せ場としてそう改変したのでしょうけれども、原作はそれはそれで、ベックがテザー(命綱)を握るフォーゲルに対して「どうしても届かなかったときはテザーを外してくれ」と頼む熱いくだりや、ワトニー救出の秒刻みのカウントダウンのスリルなど、リアルかつ大変魅力的な展開でした。個人的にはこの場面は原作の方が好きです。
このワトニー救出役もそうですが、映画では船長にやや強くスポットが当てられています。原作では、ワトニーが両親への遺言を託す相手も船長ではありません。

ちなみにアイアンマンが何かわからない方は、そうだなあ、ドラゴンボールの孫悟空が舞空術を使えるようになる前、かめはめ波を手や足から出して空を飛んでいたのを思い浮かべて貰えば同じようなものです。



●15.地球帰還後

原作小説はワトニーがヘルメス号に回収されたところで終わります。その小説最後の独白のセリフもいいのですが、やはり関わった面々のその後の姿を垣間見れたのは嬉しかったです。

ワトニーが火星脱出を果たしたのは、ソル561でした。
ソル(SOL)とは、太陽日(solar day)の略で、地球以外の天体について地球上日数(DAY=24時間)と区別するために使われます。ワトニーがヘルメス号に乗り込んだ瞬間、デイ687(だったかな?)に日付表示が変わったのは、火星の1日(ソル)が24時間39分35.244秒ある事による時差のせいです。ワトニーも、火星脱出前に腕時計の時間を地球時間に直しています。687日・・・約2年。孤独かつ孤立無援で過酷な環境でその期間を生き延びることは想像を絶しますね。
地球上にいるワトニーの姿が映った時、DAY1(地球日1)と画面に表示されますが、まぁあれは帰還初日ということではなく、地球で一人の人間として文化的な生活を送り始めた初日、という意味でしょう。



以上、映画『オデッセイ』の物語の解説でした。


こちらのサイトの解説もたいへん分かりやすいです。↓

映画「オデッセイ」の分かりにくい場面を解説します 自分に負けないラボラトリー
http://www.jifu-labo.net/2016/02/explain_martian/


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この本物(?)の火星と比べるべくもないですが、私も在留邦人が「火星」と呼んだりするような中東の砂漠に滞在し仕事をしていた時期があります。暴力(的)なパワハラを連日受けながらのそこでの生活は地獄のような経験でした。しかしそれはそれとして、非常に楽しかった。量で言えば不幸に比べて幸福(楽しみ)はとても小さかったし、負けるものかと燃えて半分虚勢を張っていたのは事実だけれど、あとの半分はマジで楽しかったのです。幸福だったとは思っていない、でも楽しかった。肝心なのは創意工夫とユーモアと、人間らしさを失わない事でした。
鑑賞中に意識はしなかったけれど、この映画がなんとも心地良かったのはそんな経験と重なったからかもしれません。

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コメント
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193.  pu-koURL  | 2016/02/19(Fri) 05:10 | #SFo5/nok[ 編集]
はじめまして。
詳細な記事ですね。
クルーに内緒にしていることを告げられた際のマークの原作のリアクション、ウケました(笑)
原作者ご自身がスーパーポジティブな方なんでしょうね。
こちらからもTBお願いします。
194.  naruse | URL  | 2016/02/22(Mon) 16:08 | #-[ 編集]
火星探査機 2001 Mars Odyssey も忘れてはいけないような
195.  かちゃまたURL  | 2016/02/22(Mon) 23:32 | #-[ 編集]
初めまして。 トラックバックありがとうございました。
この映画、面白かったですねえ。ストーリー展開上、かなり長い時間を
「マット・デイモン」見ながら過ごすことになりますが、彼のはまり役かも、なんて思うほどでした。グドすぴさんのブログ拝見したら、映画をもう一度見てみたくなりました。


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