2013年08月11日 (日) 23:20 | このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 『パシフィック・リム』 Pacific Rim | | | Edit |
(※いつも通り、むしろいつも以上に「あらすじ」以降からネタバレ全開です)

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メキシコ出身アメリカ在住の日本オタクの監督が製作費200億円でハリウッドの技術を注ぎ込んで作り上げた、巨大ロボットと巨大怪獣が格闘戦をする映画。
もうほんとにそれだけ!

でもそのただそれだけの事をこの今に至るまで誰も出来なかった事を考えれば、そりゃあ突っ込みどころも多いのだけれど、この出来で作り上げたのは偉業だと思います。

それと、思っていたより、いい意味で子供向けでした。
小さな息子がプリキュアに夢中で「この子将来大丈夫?」と感じているような親御さんは、この夏休み、その子をこの映画に連れて行きましょう!
王道な安心ストーリーで、残虐シーン無し、性的なシーン(キスシーンすら)無し。

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【あらすじ】
2013年、太平洋の深海の海溝深くから怪物が現れた。数日ののちに倒されたが、その間に複数の都市と数万人の命が失われた。「Kaijyu」(怪獣)と呼ばれるようになったその怪物は、しかしその後も頻度を上げながら次々と現れた。怪獣の体液には毒性もあった。そこで、環太平洋沿岸(パシフィック・リム)諸国は英知を結集して、短期で真っ向から怪獣を倒し切る為の兵器として人型巨大兵器「イェーガー」を開発。人類は怪獣との戦いの優勢に立ったが・・・
それから10年。人類と怪獣の戦いは続き、より狡猾でより巨大な怪獣が登場するようになると共に、イェーガーは次々と敗北するようになった。各国首脳の判断により、イェーガー計画は中止され、代わりに巨大な防壁の建設に着手したが・・・ある日、新たに登場した怪獣により防壁は軽々と破壊され突破された。これ以上の怪獣の出現を防いで人類を滅亡から救う為、残された僅かなイェーガーが集められ、怪獣との最終決戦に臨むこととなる。
かつて戦闘中にパートナーを失い自らの心身も深く傷ついたイェーガーの元パイロット・ベケット(チャーリー・ハナム)も召集を受け、赴いた基地で彼はかつての愛機で既に旧世代機イェーガーである「ジプシー・デンジャー」と、その補修を行った研究者マコ(菊地凛子)と出会うのであった。




と、ここまでがオープニングで一気に説明されるプロローグである。(笑)


普通だったら、最初の怪獣登場から退治までのてんやわんやと、それに続くイェーガー開発・パイロット選抜・訓練・それに伴い生まれるパイロット同士の絆なんかの描写で上映時間の8割ぐらいは経過して、ロボvs怪獣なんかは最後のクライマックスでようやく描かれ、物足りなさは続編に期待、となるところ。
描くべきものがはっきり分かっているこの潔さが素晴らしい。
代わりに脚本や人物描写の軽さが少し気になったけれど、この際そんな事は良いのです。
一応物語に決着はついて終わっているのですが、世界的にヒットして続編製作が決定したそうなので、その続編で各描写が深まることを期待しましょう。

っていうか!
期待しましょう・・・じゃねーんだよ・・・。
そりゃ自分は普通の通りすがりのサラリーマンですからハリウッド映画にはただ期待するだけの立場の人間ですけども、そもそもコレを日本人が作ったのではない&日本では作れない、という事が悔しいです。
出てくるロボも怪獣も、だって怪獣だよ怪獣。「津波」が日本語発祥で世界共通の言葉に定着しているように、あの怪物たちが「怪獣」と呼ばれている世界。準主役(ヒロイン)として日本人(菊池凜子)が出てきたり、本舞台にはならないものの随所で日本贔屓され、そもそもこの映画で一番大事なロボと怪獣はその姿形も描写もすべて日本産のもの。
日本の特撮やアニメへのオマージュだけで出来ている映画と言っても過言ではないくらい。そっち方面の知識は一般人でしかない私にでもはっきり分かるくらい。ここで大事なのはこれが決してパクリやコピーではないということ。
ここまでの敬意を表されると、すごく日本が励まされてるように感じられ勇気づけられると共に、ただ受け身で「続編に期待」なんて言う事は恥ずかしいと感じられます。
クールジャパンなんてのも言葉じゃなくて行動力で示せないと・・・。むぅ。
その意味では、この映画は『トランスフォーマー』とは大きく違います。
少年の心をわずかにでも持つ日本人は必見かな!

そんなわけで、万人に(特に女性には)お勧めしたいというものではないのだけれど、昨日(公開初日)にIMAX 3Dで鑑賞して以来、あのメインテーマ曲が頭から離れないので感想を書いておくことにしました。(^^;


メインテーマ曲



以下、ネタバレで主に見た人向けの備忘メモ&画像。

かっこいいエンドクレジット


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設定上はロボ・怪獣共に40体以上が存在するそうです。
が、当映画に登場するのは、イェーガー5体、怪獣7体のみ。

イェーガーについては、

うち1体、日本機のコヨーテ・タンゴは回想にちらっと登場するのみ。
マコの幼少期(芦田愛菜)に怪獣に襲われ家族を失った際、怪獣を倒しマコを助けるのがコヨーテ・タンゴ。しかし、チラッとしか登場せず、正直そのシーンで記憶に残ったのは芦田愛菜ちゃんの渾身過ぎてなぜだかイラッときた泣き顔演技と、「萌&健太ビデオ」と書かれた珍妙な看板でした。(笑)

ちなみにこの時のコヨーテ・タンゴの操縦者は後のペントコスト司令官でしたが、その時は単独操縦である上に原子力を動力として操縦席への放射線対策が甘かった第1世代機であり、その際の神経への負担と被曝によりペントコスト司令官は本編の段階で余命わずかです。
この後、イェーガーは2名で操縦し、パイロットの負担を軽減するシステムに代わります。
神経同調システムを通じ、2名の記憶や感情を繋げたうえでイェーガーと接続し、2人の動きに合わせてイェーガーも動く。イェーガーが人型であるのは、そのシステムの都合のようです。

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さて、本編時点で残っているイェーガーは4体。
しかし、中国機とロシア機は、中盤の香港戦でかませ犬扱いであっさり敗退。
そういえば香港戦の後で、司令官が「仲間を2名失った」(字幕)とか言ってましたが、中国機パイロット3名とロシア機パイロット2名の計5名が死んでいます。
元の英語では、「two crews」と言っていますので、2チームの誤訳です。

残る2機、最新鋭のオーストラリア機ストライカー・エウレカと、主役機のアメリカ機ジプシー・デンジャーは海溝での最終決戦でそれぞれ自爆してしまい、物語終焉時点でイェーガーは全滅です。

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一方、怪獣について。

怪獣は、異次元人が地球を手に入れる為に人類を消そうと送り込んできたクローン生物兵器。
『インディペンデンス・デイ』その他で何度も見かけた感のあるデザインの宇宙人っぽい異次元人が、クローン怪獣に都度改造を加えて、太平洋深くの海溝に開いた次元の裂け目を通じて地球に送り込んでいます。
恐竜がいた時代にも地球に来たそうなのですが、その時は地球の環境が彼らの求めるものではなく、人類によって環境破壊が進んで彼ら好みの環境になったことを確認して、あらためてやってきたそうです。
今回、ジプシー・デンジャーが裂け目を逆に辿り、異次元人の怪獣工場のような場所と次元を繋ぐ通路を自爆によって破壊し、次元の裂け目も消滅して物語が終わっていましたが、異次元人は裂け目(と通路)を自ら作ることが出来るのかもしれません。
そうすると、続編は、再襲来する怪獣(異次元人)と、それに備えていた新しいイェーガー(人類)との戦いの話になるのかも。

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巨大ロボ対怪獣の殴り合いを主とした戦いは必然性はともかく、面白くて良いです。
エルボーロケットとか、タンカー船を棍棒代わりにしてボコボコに殴ったりのシーンは、楽しすぎて変な笑いが出てきました。w
最終的にロケット砲とか剣とか使うんなら、最初から使えばいいじゃない・・・と思ったけれど、そこは、怪獣を中途半端に傷付けて猛毒の汚染物質である血液を流しながらうろつかれると汚染範囲がエラいことになってしまう為、必殺の時以外は極力使わないことにしている、という設定があるそうです。
ちなみに、更にプラズマ砲については、傷口を焼くので血液があまり流れ出ない、という設定が。なるほど。

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まぁ、そんな設定も細かくは語られないので、見た後にあーだこーだと見た人同士で話すのが楽しそう。
設定資料集も販売されているようですね。

本作に含まれているオマージュシーンについて。
私はあまり詳しくないのですが、それでも、ゴジラ、鉄人28号、エヴァンゲリオンへのオマージュは大変分かりやすかったです。
他に聞いたところでは、
照明弾を撃ち込んだ後に後ろからジプシー・デンジャーが到着した時の照明の当たり方がゴジラVSスペースゴジラのモゲラ登場シーンと一緒だったり、タンカーを引きずって殴るのがウルトラセブンとキングジョーが神戸の港で戦うシーンのオマージュだったり、第二の脳は昔のゴジラやアンギラスで使われた古い恐竜説ネタ、冷却ガスは轟天号がマンダ凍らせたネタ、カテゴリー5の初登場シーンはチェルナボーグとヴァーミスラックスが元ネタ、とか、もうここに書いてる後半の方はその元ネタの名前すら知りませんが、そんな色々があるそうです。
怪獣の体に浮かんでいる模様も、なんかどこかで見たことがあるような~・・・

まぁ、そんな事は何も知らず気付かなくても全く問題はないです。

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ひとつだけ私個人的に難点だったのは、怪獣研究者2人のキャラクター。
そこだけがちょっと嫌でした。
話の規模の割にあの2人が担当科学者というのでは、人類が存亡までかけて総力を挙げて問題解決に当たっている気がしないというか。
まぁ、これを真面目な科学者チームにしてしまうと、この映画のマジメさとバカさのバランスがおかしくなってしまうだろうから仕方がなかったかもしれません。
ちなみに、この科学者2人が、イェーガーの操縦者2人の脳を繋ぐ(記憶と感情を共有・同調させる)システムを死に掛けた怪獣の脳に対して使うことで、次元の裂け目の特性や異次元人の存在や目的などの知識を得て、最終決戦が立案されます。
ただし、各怪獣の脳もどうにかして繋がっているらしく、それで先に地球でイェーガーに敗れた怪獣から得た知識をもとにイェーガー対策を施した新怪獣が送られてくるようになったわけですが、さらに死に掛けた怪獣の脳と科学者の脳が同調し記憶が共有された結果、最終決戦に臨む人類側の情報も逆に怪獣側に流れてしまってチャンスと共にピンチも招いてしまったという展開になっていきます。


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しっかし、こういうのを見ると・・・、古くは返歌とか、最近だとアンサーソングとか言うんですかね、なんかそういう感じでこの映画に対して日本製のアンサームービーみたいな物が作られるといいなぁって割と本気で夢見ちゃいますね。




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