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2015年11月05日 (木) 02:17 | このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 映画『セッション』 Whiplash ネタバレでお節介な解説 | | | Edit |
このブログの中では人気が高い、映画のお節介な解説シリーズ。
今回は『セッション』

この映画はあえて様々な解釈や考察がなされるように作られています。
私もふと疑問に感じた事を調べようとネットで検索かけてみたところ・・・、出るわ出るわ、色々な論点で山ほどの熱い議論が。そこで、この「お節介な解説」では、その時に自分が調べて分かった事と良く見かけた論点について、なるべく簡潔に整理して書き残しておきます。
既にDVDレンタルも始まって一月以上経っており、今更な記事ではありますが、どなたかの一助になれば。

【ストーリー概要】等の下から、完全ネタバレの長文です。
その最初に【目次】を付けておくので、気になった点の項目だけ見て頂ければ良いかと思います。


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【ストーリー概要】
偉大な音楽家になるという野心を胸に名門音楽大学に入学したニーマン(マイルズ・テラー)は、ある日、有名教師フレッチャー(J・K・シモンズ)のバンドにスカウトされる。成功への期待を膨らませ喜ぶニーマンだったが、待ち受けていたのは、天才を生み出すことに取りつかれたフレッチャーの狂気のレッスンだった。



この映画の宣伝文句
「ラスト9分19秒の衝撃」
「<完璧>を求めるレッスン。二人のセッションは誰も見たことがないクライマックスへ――。」
「アカデミー賞が飛び付いた才能と狂気」


チャゼル監督インタビューより
「答えが何であるかというより、いろんなことを考えるきっかけになってくれればいいと思って作った映画なんだ。いずれにしても、諦めないってことは大切だと思うよ」
「勝利を感じるんだけど、どこか悲劇的。そんな“ジレンマ”が観客の心に残るようなエンディングを目指したよ」

映画『セッション』チャゼル監督インタビュー : ガジェット通信
http://getnews.jp/archives/910794


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~~~以下、完全にネタバレ~~~


大まかにストーリーの流れ順に論点を並べています。


【目次】
1.ニーマンの性格・能力について
2.教室を追い出されたホーン奏者の学生(マンガ君)について、彼はどう答えれば正解だったのか?
3.「C.パーカーがシンバルをアタマに投げつけられた事件」の作中の設定と、実話との違い
4.なぜフレッチャーは元生徒(ショーン)の死因を自殺ではなく交通事故と偽ったのか?
5.ウィントン・マルサリス(リンカーン・センター)のバンドのトランペッターになった、とは
6.楽譜を隠したのは誰か?
7.ニーマンの顔の傷跡の件
8.自主退学したの?それとも退学させられたの?
9.ニーマンは密告をしたのか?
10.フレッチャーによる最後の仕打ちは、ただの復讐か?ニーマンへの教育の一環か?
11.父親から見たニーマン
12.ラスト、フレッチャーは笑みを浮かべながら何と言っていたのか?(あれはハッピーエンド?)
13.原題『Whiplash』の意味
14.邦題『セッション』について
15.感想・批評について




●1.ニーマンの性格・能力について

ニーマンは、全米を代表するシェイファー音楽院に入学している、という設定です。この学校はジュリアード音楽院をモデルとしていると思われ、アメリカ・ニューヨーク市にあるおそらく世界で最も有名な音楽・演劇・舞踊学校です。
そこに入学している時点でニーマンにはそれなりに才能がある事が分かりますが、それでも初等教室の第二奏者に甘んじている状況です。
そこから、後のバーでの語り合いの際にフレッチャーが「私が何を要求しているか知らされていたから、おまえは第一奏者を出し抜くことが出来た」と言っていた通りの出来事を経て、ニーマンはフレッチャーのバンドメンバーとして抜擢される事に成功します。

なぜフレッチャーはニーマンにチャンスを与えたのでしょうか?

もちろん演奏にも才能を感じ取ったのでしょうが、夜まで教室で一人で練習に没頭していた姿が気に入られたようです。
フレッチャーは、すべてを捨てても音楽にのめり込む狂気をもってその先の芸術へ到達する天才、そんな才能を探しています。
確かにニーマンにはその素養がありました。

ニーマンは根強い劣等感を抱える一方、その反発の為か「いかなる犠牲を払っても偉大な者として名を残すこと」に強く憧れている、非常に傲慢かつ孤独な男です。人からどう思われるかを気にかけず、人を出し抜けば喜びを露わにし、人の想いを平気で踏みにじり、音楽すら出世の道具としか見ていません。最初から普通の人間じゃない。
しかし、と言うかそれ故にというか、フレッチャーのバンドに参加する前のニーマンは、音楽にそこまでのめり込もうとはしていません。冒頭、教室で彼女とキスしてる学生や、女の話で盛り上がっている学生達を蔑んだ目で見つつも、実のところ羨ましい。その時のニーマンに足りなかったものは、おそらく自信でした。
だから、フレッチャーのバンドに抜擢されてわずかながら自信を得た彼は、まず、気になっていた女の子(ニコル)をデートに誘います。
そのくせ彼女が目的も無く大学に通っている事を知ると、理解できない&軽蔑の眼差しを向けます。

えーと、余談ですが、そんな目を向けられながらもニコルが彼と付き合うことにしたのは、少し驚きでした。その理由は童貞野郎の私には分かりかねますが、田舎から出てきて寂しくなってきたところで、人生で初めて男から声をかけられて、しかもそれが有名音楽大学の学生だし、ちょっと舞い上がっていたのでしょう。

もう一つ余談ですが、映画館でニーマンがレーズンを避けてポップコーンだけを食べる描写も、彼の性格を補足しています。

その後、フレッチャーの指導のもと猛練習を積むにつれて、ニーマンは自信を深め、その方向に進めば良いのだという信念を強めると共に傲慢さを露わにしていきました。
あっさりと練習の邪魔だとニコルを捨て、軽視と無理解を向けてくる親戚に対しては募らせていた怒りをぶちまけ、やがてフレッチャーに対しても「自分の方が(新メンバーよりも)上手い!」と食って掛かるまでになります。
この時、食って掛かられたフレッチャーがびっくりしていたのを見る限り、これこそフレッチャーが探し求めていた素質の一端であるにも関わらず、彼がその持ち主に出会ったのは初めてだったか、もしくはニーマンがその素質の持ち主だとまでは考えていなかったか、のようです。

この映画の主人公ニーマンは、特別な才能を持った特別な人間でした。


その是非、天才とは何か、才能とは何か、など、この映画は様々な問いを投げかけます。


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●2.教室を追い出されたホーン奏者の学生(マンガ君)について、彼はどう答えれば正解だったのか?

おそらく、自分の音程は合っている、と自信をもって言い切っていればその場は切り抜けられたと思います。
しかし、先ほども書いたように、フレッチャーが求めているのは、何があっても諦めず、すべてを捨てても音楽にのめり込むほどの狂気と才能を持った人材です。察するに、彼(マンガ君)はそれまでのレッスンにおいて、フレッチャーから求める人材ではないと見切られていたのです。あの場を切り抜けたとしても、その後も苛烈な攻撃が続いたことでしょう。
まぁ、それは他の学生も同じですけど・・・

ニーマンだって何度も切り捨てられそうになっていました。

ちなみに、ニーマンにとって初めてのレッスンだったこの日、朝6時に呼び出されて(遅刻して)一人で待ちぼうけを食わされていましたが、朝6時ジャストに来ていればフレッチャーが教室にいたのかどうかは明確には分かりません。ただ、フレッチャーのニーマンに対する罵声の中に「遅刻野郎」といったような言葉が一度も出なかったことから、おそらく、ただの(歪んだ)教育の一環としての嫌がらせ(精神的揺さぶり)で、遅刻せずに来ていたとしても誰もいなかった可能性が高そうです。


このマンガ君追い出しの件以降は、フレッチャーがニーマン以外への学生へ追い込みをかけている描写が出てきません。
ですが、ニーマンだけをいじめていたわけではないのでしょう。
振り返ってみると、この映画は全てのシーンにニーマンが登場し、完全にニーマン視点で話が進みます。
最初のマンガ君事件はニーマンにとって衝撃的だったから描かれたものの、その後はもうニーマンは自分のことだけで頭がいっぱい(ある意味彼にとっては平常運転)の状態だった為に他の生徒が受けている仕打ちの描写は無くなった(ニーマンの意識外になった)という事かと思います。


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●3.「C.パーカーがシンバルをアタマに投げつけられた事件」の作中の設定と、実話との違い

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「なぜ椅子を投げたと思う?」

「シンバルがないからですか?」



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テーマ:洋画
ジャンル:映画